相続税としてのメリット
不動産の相続税は通常、相続税評価額に基づいて計算されます。マンション経営の場合、建物(固定資産評価額)は通常その50%程度で評価され、土地は公示価格(路線価)の約80%程度で評価されることが一般的です。
さらに、不動産を第三者に貸し出した場合、建物の評価額は通常の評価から借家権割合の30~40%を差し引くことがあります。土地の評価についても、借家権割合×借地権割合の60~70%ほど低くなることがあります。このように、相続不動産の評価額が現金や預金と比較して低くなった場合、相続税の額が比較的軽減される節税のメリットがあるのです。この不動産評価の特性を考慮することで、相続税の節税対策が可能となります。
現金の相続税評価額と不動産の相続税評価額の比較
現金・有価証券:2,000万円
時価に対して課税
2,000万円全てが課税対象
不動産購入価格:2,000万円
土地代800万円、建物代1,200万円の
ワンルームマンションで相続が発生した場合
時価に対して課税
現金や有価証券と比べておよそ3分の1の682.4万円が課税対象
土地の評価額
相続時の土地の評価は通常、路線価を基に算定されます。
一般的に、路線価の金額の約80%が公示地価として使用され、相続時の土地評価額がこれを基準に計算されます。
800万円×0.8=640万円
640万円×(1-0.6×0.3×1)=524.8万円
小規模宅地等の特例が適用
524.8万円×50%=262.4万円
建物の評価額
相続時の建物の評価額は、市町村が設定する「固定資産税評価額」と同じです。
一般的に、建物の評価額は購入価格の約50%から60%程度に相当します。
言い換えると、固定資産税評価額は建物の相続時の評価に関して参考にされる基準となります。
1,200万円×50%=600万円
600万円×(1-0.3×1)=420万円
土地評価額
262.4万円
+
建物評価額
420万円
=
相続税評価額
682.4万円
現金と比べるとおよそ3分の1の評価になり、
相続税の大幅な節税になります。
相続時精算課税制度も活用もできます
現マンションオーナー
(相続人)
相続時精算課税制度を利用し、被相続人へ生前贈与
現金2,500万円まで非課税
ワンルームマンション(賃貸用)の評価額が2,500万円の場合、通常の評価額の約3分の1となるため、相続時精算課税制度の特別控除額内には3戸程度まで収まります。このため、このマンションを贈与された方は、将来的に賃料収入を得る機会を持つことができます。
妻・子供など
(被相続人)